2009年02月28日

コッペリア

まずは、こちらの動画をご覧ください。バレエ音楽ですね。


この曲の題名や作曲家を知らなくてもどこかで聴いたことがありますねフランスの作曲家レオ・ドリーブ(Léo Delibes,1836-1891)、バレエ「コッペリア(Coppélia,1867)」第一幕より「ワルツ」です。

バレエは16世紀フランスが発祥で、当時は王宮貴族の楽しみでした。しかし、フランス革命(1789-1794)以降、革命政府の圧力などにより衰退の一途をたどっていました。レオ・ドリーブは、この「コッペリア」などでバレエを一般市民の芸術として復興させました。「フランス・バレエ音楽の父」と呼ばれています。

バレエ「コッペリア」の物語は、次のとおりです。コッペリウスという偏屈じいさんが人形「コッペリア」を作り、命を吹き込みます。(日本のアニメでいえば鉄腕アトムでしょうか・・・)「コッペリア」を窓辺に置き、街行く人たちの反応を見ます。青年フランツは、スワニルダという恋人がいるのですが「コッペリア」を人形だと知らずに恋してしまいます。さぁ結末やいかに、陽気で明るい喜劇のバレエです。

チャイコフスキーはこの「コッペリア」に刺激を受けて,人形が主人公のバレエ「くるみ割り人形」を作りました。
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2009年02月27日

エルガー

イギリスを代表する作曲家といえばエドワード・エルガー(Edward Elgar,1857〜1934)でしょう。

エルガーは、イギリスの国民としての誇りを持つとともに、愛妻家としても有名です。イギリス国内各地では、他の作曲家よりも、はるかに多くのエルガー作品が演奏されています。しかし、エルガーの人生は決して順風満帆ではありませんでした。ウースター近郊、ブロードヒースという地方の楽器商の息子として生まれました。経済的な理由に専門的な音楽教育は一切受けることはできませんでした。父の手伝いをしながら独学で作曲を学びました。
16歳、職業音楽家の道に踏み出します。
20歳、ヴァイオリニストを目指してロンドンに出ます。
25歳、職業音楽家の夢がかなわず故郷に帰り、父の楽器商を継ぐとともに、音楽教師としての収入をもとに作曲活動をしました。
41歳、「エグニマ変奏曲」作曲、ハンス・リヒターの指揮によるロンドンでの初演が大成功を収め、職業音楽家の道に踏み出してから苦節25年、ようやく注目されるようになりました。ちなみに、エグニマは「謎」という意味です。
43歳、「威風堂々」作曲、この「威風堂々」に詩をつけて"希望と栄光の国"(Landof Hope and Glory)」として、いまでもイギリスの第二の国歌ともよばれ愛されています。その後も創作活動に励みますが、第一世界大戦、妻の死などで何度も挫折しました。

エルガーは、ワーグナー・ブラームス・シューマン・リスト・フランクのようなロマン派の作曲家の影響を受けるものの、大陸的な音楽とは異なり、英国人らしい感情の高貴さと精神性を表現し、英国民衆の心を深くとらえました。エルガーの作る曲には「友情」「愛」「誠実」で満ち溢れ、親しみやすいメロディです。エルガーは「愛の挨拶」「威風堂々」「エグニマ変奏曲」などが代表作ですがほかにも交響曲を3つ、「チェロ協奏曲」などたくさんの作品を残しました。


さて今回ご紹介する「愛のあいさつ(SALUT D’AMOUR)」は、エルガーが31歳のとき、当時婚約者だったキャロライン・アリス・ロバーツに贈るために書いた作品です。キャロラインは、エルガーのピアノの生徒で8歳年上でした。とkろおで「SALUT D’AMOUR」はフランス語です。なぜイギリス人なのになぜフランス語のタイトルかというと、当時故郷に戻って極貧の生活をしました。この曲の楽譜をフランスの出版会社が買い取りました。そのためフランス語のタイトルになりました。その報酬はわずか数ポンドだったとか。「愛のあいさつ」には、「Liebesgruss」というドイツ語の副題もあります。それはキャロラインの母国語がドイツ語だったからです。もとはピアノ独奏曲でしたが、ピアノとヴァイオリン用、小編成の管弦楽などにも編曲されました。オーケストラヴァージョンでお聴きください。愛で満ち満ち〜〜溢れていますね


エルガーは奥様をモチーフした作品を多く残していますが、独身時代から晩年まで奥様以外の女性をモチーフにした作品も多くあります。
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2009年02月26日

BGM

何かをしながらBGMを聴きたいとき仕事しながら,読書しながら,ぼんやりしながら,昼寝しながら,夫婦喧嘩しながらなどなどCDでもいいでしょう,でもインターネットラジオから次か次へと流れてきます。


まずはフリーソフトのWinampというソフトをダウンロードしましょう。このページからダウンロードできます。
http://www.winamp.com/?flv=1&icid=templatized_template_test.M


ダウンロード,インストール,セットアップが終わったら,Winampを起動して,ブラウザから以下のURLを見てみましょう。
http://www.winamp.com/media/radio/Classical

たとえば,ピアノ曲が聴きたいなと思ったら「S K Y . F M - Solo Piano - Musical journeys with p」を選びましょう。次から次へとノンストップ24時間ピアノ曲が流れ続けます。ほかにヴァイオリン曲もいろいろとありますよ。そのときの気分におまかせブラウザにWinampのツールバーがのコツかもしれませんが表示を消すこともできます。
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2009年02月25日

トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団

本日ご紹介する演奏会の会場は関西屈指の名ホールである“ザ・シンフォニーホール”。小編成による古楽器演奏でどのような響きが聞けるのか興味は尽きません、またプログラムがいい!



トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団


▼ 2009 3/7(土)6:00pm

▼ 入場料金:
A 9,000円 B 7,000円 C 5,000円
(C席売切れ)


▼プログラム
《J.S.バッハ 管弦楽組曲 全曲演奏会》
管弦楽組曲 第3番
管弦楽組曲 第1番

管弦楽組曲 第2番
管弦楽組曲 第4番

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2009年02月24日

日本フィルハーモニー交響楽団第608回定期演奏会

演奏者やオーケストラに注目するのももちろんですが、演奏会場であるホールもまた音楽の一部として大きく影響があります。

国内屈指のホールであるサントリーホールでオーケストラ公演は是非きいてみたいものですね。



日本フィルハーモニー交響楽団第608回定期演奏会
曲目 ベートーヴェン :ヴァイオリン協奏曲
エルガー :交響曲第1番

日時 3月6日(金)

会場 サントリーホール


指揮 ジョセフ・ウォルフ

出演 渡辺玲子(Vn)

開演 14:00

料金 S7,000 A6,000 B5,000 C4,000 P3,000 Ys2,700 (2009年1月27日発売)

問合せ 日本フィル・サービスセンター 03-5378-5911
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ムソルグスキー

ロシア・ペテルトブルグ出身の作曲家モデスト・ムソルグスキー(Modest Musorgsky,1839.03.21-1881.03.28)です。
代表作は「禿山の一夜」「展覧会の絵」などがあります。今年はムソルグスキー生誕170年にあたります。ムソルグスキーは、「ロシア国民学派“五人組”」に含まれています。
「ロシア国民学派“五人組”」というのは、19世紀後半のロシアで民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家集団です。 
アレクサンドル・ボロディン(1833-1887) ツェーザリ・キュイ(1835-1918) ミリイ・バラキレフ(1837-1910) モデスト・ムソルグスキー(1839-1881) ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)
19世紀後半のロシアといえばロマノフ朝いわゆる帝政ロシアの末期、アレクサンドル3世、ニコライ2世の時代で、シベリア開発など東方進出していたころです。このころロシアは革命にはまだほど遠かったものの、農奴制に基盤を置いた社会の歪が頂点に達し、社会不安は極限にまで達していました。このあと日露戦争(1904-1905)などによって帝政ロシアは解体し、レーニン、スターリンが台頭してきます。


ムソルグスキーは、「ロシア国民学派“五人組”」の中にあって、最も個性的な作曲家といわれました。富裕な貴族として生まれ、幼いころは母からピアノを学ぶものの作曲はまったくの独習でした。はじめは軍人になったのですが、やがて作曲の道を歩みだし“五人組”を作りお互い切磋琢磨していました。ロシア国民主義音楽を追求し、古くからあるロシアの民俗音楽を取り入れながらも、全音音楽、自然的短音階、それまでの枠にはとどまらない大胆な和声法を駆使しました。しかし、ムソルグスキーは著名でなかったこともあり、生前にはほとんど公に演奏されることもなく楽譜の出版すらありませんでした。彼の作品の多くは後世、編曲されたものが多くあり、現代ではオリジナル版よりも編曲版のほうが多く演奏されています。

さて、組曲「展覧会の絵 (Pictures at an Exhibition [Bilder einerAusstellung])」(1874)は、若くして亡くなった友人の建築家兼画家ハルトマンの遺作展に触発されて作曲された作品です。遺作展では400もの絵画が並びました。このうちムソグルスキーが強く印象に残った10枚の絵画を描いた10曲と、『プロムナード』5曲、『死者とともに死者の言葉で』の16曲からなります。印象を音楽に仕立て上げられており、その間にプロムナードという前奏曲あるいは間奏曲が挿入されているのが大きな特徴となっています。このプロムナードはムソルグスキー自身の歩く姿を現しているといわれています。亡き友を偲びつつ作品を鑑賞する姿が思い浮かびます。

プロムナード Promenade
1 小人(グノーム) Gnomus
プロムナード [Promenade]
2 古城 Il vecchio castello
プロムナード [Promenade]
3 テュイルリーの庭 - 遊びの後の子供たちの口げんか Tuileries - Disputed'enfants apres jeux
4 ビドロ Bydlo
プロムナード [Promenade]
5 卵の殻をつけた雛の踊り Ballet des poussins dans leurs coques
6 サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ Samuel Goldenburg und Schmuyle
プロムナード Promenade
7 リモージュの市場 Limoges - Le marche
8 カタコンブ - ローマ時代の墓 Catacombae - Sepulchrum Romanum
死者とともに死者の言葉で Cum mortuis in lingua mortua
9 鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤーガ La cabane sur des pattes de poule -Baba-Yaga
10 キエフの大門 La grande porte de Kiev


もともとこの作品はピアノのための組曲でした。この作品を一躍世に知らしめたのが、『ボレロ』で有名なモーリス・ラヴェルによる管弦楽への編曲(1922)です。ただしラヴェル編曲版は 6. と 7. の間のプロムナードが削除された15曲です。『死者とともに死者の言葉で』は『プロムナード』の変奏であり、6番目の『プロムナード』と位置づけることもできます。その後もこの作品に触発された多くの編曲が出ており、名指揮者ストコフスキー編曲の管弦楽版、他にトゥシュマロフ、ウッド、アシュケナージ等による管弦楽編曲、そして富田勲のシンセサイザー版などがあります。


【組曲「展覧会の絵」】 ラヴェル編曲版です。指揮:エサ=ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen,1958-)フィンランド出身の指揮者、作曲家演奏:Philharmonia Orchestra(http://www.philharmonia.co.uk/)

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2009年02月23日

トリノ五輪 女子フィギュア2

今日から3年前,2006年2月23日トリノオリンピック女子フィギュアスケートで荒川静香選手が金メダルに輝きました。2月23日に行われたフリー演技では、ジャコモ・プッチーニ(GiacomoPuccini,1858-1924)作オペラ 『トゥーランドット(Turandot)』より 『誰も寝てはならぬ』(Nessun Dorma)です。演技で使われた曲は、ヴァイオリンファンタジー版にアレンジされたもので,ヴァイオリニストはヴァネッサ・メイ(Vanessa-Mae,1978-)でした。この動画はオペラ版です。



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2009年02月22日

イツァーク・パールマン

フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンス(Camille Saint-Saens,1835-1921)の作品です。
サン=サーンスは、組曲「動物の謝肉祭」で有名かと思われますが、今回紹介する曲は、「序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調」 (Introduction et rondocapriccioso) Op.28(1863/1870出版/1872初演) [vn,Orch]です。

ヴァイオリン奏法に関して技巧的に大変難しい曲です。 ヴァイオリン:イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman,) 以前オバマ大統領就任式の演奏など(2月3日の記事)でご紹介しました。

指揮:ズービン・メータ(Zubin Mehta,1936-)インド出身、1990,1995,1998,2007年ウィーンフィル楽友協会でのニューイヤーコンサートで指揮しました。毎度ご紹介しているダニエル・バレンボイム(1942-)の先輩格にあたります。演奏:New York Philarmonic orchestraそれではでお聴きください。


さてこの曲は,その名のとおり「序奏」と「ロンド・カプリチオーソ」の2つの部分から成っています。ロンドとは「輪舞」(みなで輪になって踊るような)形式のことです。カプリチオーソは、日本語言うと「気ままに・気まぐれな」という意味です。つまり「気まぐれな輪舞曲」でしょうか。今回は、ヴァイオリンとオーケストラとの協奏曲となっていますが、ピアノ伴奏版もあります。

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2009年02月21日

トリノ五輪 女子フィギュア

今日から3年前,2006年2月21日トリノオリンピック女子フィギュアスケートでショート演技が行われました。荒川静香選手の曲は,フレデリック・ショパン作曲「幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66」(Fantaisie-Impromptu in C-sharp minor, op.66 by Frederic Chopin)でした。


演技で使われた曲はオーケストラバージョンを使っていました。この時点で、荒川静香選手は3位でしたが、結果はみなさんご存じのとおり。最近では浅田真央選手もフリー演技で使っています。来年のバンクーバーオリンピックではどんな曲が使われるのでしょうか。
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2009年02月20日

ヴェルデイ

みなさま、いつもいつもコメントありがとうございます。ヴェルディとワインが出てきたので、やはり酔っ払いが主役のオペラ「Falstaff」を紹介しましょう。


あのアイーダから22年後80歳渾身の作品で、26ものオペラ作品を作ったヴェルディ最後のオペラです。

酒好き女好きの主人公の老騎士Falstaffの笑いと涙の物語です。Falstaffは,今で言うセクハラおやじです。Aliceは,人妻。Falstaffはそれを知りつつあえてAliceを口説きます。Falstaffの誘いに対して、Aliceが「2時から3時の間においで」とこたえます。もうFalstaffは有頂天で乗り込んでいったのですが、Aliceの夫が帰宅・・・Falstaffはテムズ川に落とされてしまいます。実は、Falstaffを懲らしめようとする女性陣の企みだったのです。懲らしめられたFalstaff、このあとも懲りずに女性陣を口説き続けます。しかし、最後にはどんでん返しが待っていて、ヴェルディ作品にしては珍しく八ッッピィエンドになります。ヴェルディは楽しみながらFalstaffを作ったと言われています,ある意味自分自身を投影したのかもしれませんね。
スポンサーに関係なく、何者にもとらわれない、ヴェルディの円熟の極みの作品です。

この動画はロンドンのRoyal Opera Houseでの上演です。指揮:Bernard Haitink演出:Graham VickFalstaff役はBryn Terfelお相手のAlice Ford役はBarbara Frittoli
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2009年02月19日

パブロ・カザルス

ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach,1685-1750)の作品です。バッハは作曲家としてあまりにも偉大すぎるので、後日あらためて説明するということで、今回は演奏者にスポットを当ててみましょう。

まず曲名は「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007 (1717〜23) [全6楽章]」「無伴奏」というのはその名のごとく伴奏がありません,つまり独奏です。
これまでピアノとヴァイオリン,ピアノとオーケストラなどいろいろな組み合わせを紹介してきましたが無伴奏は初めてです。

さてこの動画のチェロ奏者は,パブロ・カザルス(Pablo Casals,,1876-1973)です。パブロ・カザルスは、スペインのカタルーニャ地方に生まれ、チェロ演奏家はもとより、指揮者・作曲家としても活躍しました。

1936年、スペイン内戦が勃発します。日本でも同じ年に二二六事件が発生しています。第二次世界大戦に向けて国際的に情勢が不安定なころでした。その後、内戦に勝利したフランシスコ・フランコ将軍が独裁政治を樹立しました。この内戦は、パブロ・ピカソ作の絵画『ゲルニカ』、ヘミングウェイの小説『誰が為に鐘は鳴る』 やアメリカ映画(ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン主演)でも題材として取り上げられました。内戦中、内戦終了後も含め極めて悲惨で凄惨なもので、多くの芸術家を翻弄し影響を与えました。パブロ・カザルスもそのうちの一人です。1936年、所属する楽団がベートヴェン「第九交響曲」の練習中、スペイン内戦が勃発します。と同時にファシストの暴動によって練習の中断を余儀なくされました。「この国に平和が戻る日、再び第九を演奏しよう」と誓い合って解散しました。1938年、フランコ将軍の圧制に抗議してフランスに亡命します。1945年、フランコ将軍が第二次世界大戦後もスペインを独裁をしいていることに抗議して「「スペインに自由と人民を尊重する政権が再建されない限り、チェロの演奏はしない」と宣言して演奏活動を封印します。

1961年11月13日、ケネディ大統領にホワイトハウスに招かれます。演奏活動の復活です。ここで平和を願って有名な「鳥の歌」を演奏します。「鳥の歌」は、カタロニア地方の民謡をパブロ・カザルスが編曲したものです。1971年10月24日「国連デー」、国連本部において「カタルーニャの鳥は、ピース、ピースと鳴くのです」と語りかけ、「鳥の歌」を演奏します。自身、「パブロ・カザルス 喜びと悲しみ」(朝日選書)という自叙伝を残しています。

さて、パブロ・カザルスは、13歳のとき、バッハの『無伴奏チェロ組曲』の楽譜に出会いました。チェロの教則本としてごく一部の人にしか知られていなかったこの曲の音楽性を見抜き、25歳のときに初披露し絶賛されました。そして埋もれていたこの名曲を広く世界に紹介しました。パブロ・カザルスは、伝説のチェリストとも呼ばれています。

Pablo Casals plays BACH - Suite no 1 for Cello

Part1


Part2
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2009年02月18日

シューベルト:菩提樹

オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(Franz Schubert,1797-1828)の歌曲集『冬の旅(Winterreise)』(1827-1828)より第5曲「菩提樹(Der Lindenbaum)」です。

シューベルト死の間際といっても若干30歳そこそこですがの曲です。 体調を崩したシューベルトは、ウィーン市中心部から南西へ約20kmにあるヒンターブリュール(Hinterbruhl)という小さな町のホルドリッヒシュミーレ(Holdrichsmuhle)で静養します。ここは、ウィーンの森の中にあり,庭先にはいまでも菩提樹や泉がそのままの姿であります。そしてシューベルトの等身大の人形もあります。


さて、歌曲集『冬の旅』は、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集にシューベルトが曲をつけたものです。第1部12曲、第2部12曲、計24の歌曲からなります。ある青年が、失恋した場面から始まり、絶望、さすらいの旅に出て、最後に自害するまでの悲しい物語となっています。この「菩提樹」は第1部の5曲目です。

『冬の旅』のなかでも一番有名な曲です。 青年が菩提樹のそばを通りかかります。ピアノが菩提樹の風に揺れる葉のざわめきのように聴こえます。菩提樹の下で、昔を懐かしんで歌います。民俗音楽的です。「ここならば安らかに眠れる」とそれは死への誘いであるかのようです。

バリトン Roman Trekel(1963-)ピアノ Oliver Pohl(1956-)


トレケルはドイツのベルリンを中心に大活躍のバリトンです。
ドイツ語の発音も非常に美しく、歌詞と音楽との密接なつながりを感じさせてくれる素晴らしい歌手ですよ。

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2009年02月17日

グリーグ

今回ご紹介する作曲家は、ノルウェーの作曲家エドヴァール・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg,1843-1907)です。

ロシア出身のチャイコフスキー(1840-1893)やチェコ出身のドヴォルザーク(1841-1903)と同世代です。グリーグの外見は小柄でひ弱な体格でしたが、内面は自分に厳しく強い精神力をもつ人格者でした。ことごとく「芸術家である前に人間であれ」とを口にし実行していました。


若いころは、シューマンやブラームスなどドイツ系の音楽に傾注するのですが、歳を重ねるにつれて祖国ノルウェーの民族音楽、民族楽器へ傾倒していきます。

グリーグは、ノルウェイの旧首都だった港湾都市ベルゲンで生まれ、若いころはコペンハーゲンなどを転々とします。半生は故郷をベルゲン近くを生活の拠点にしました。 グリーグの曲を2曲紹介します。

まずは、グリーグ若かりしころの作品「ピアノ協奏曲イ短調作品16」(1868)です。演奏は, ピアノ:アルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein,1887-)指揮:アンドレ・プレヴィン(André Previn,1929-)London Symphony Orchestraです。

この特徴的な出だし、グリーグの名を知らずともこの旋律は、どこかで聴いたことがありますね。チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」の冒頭部を彷彿するほどインパクトがあります。人間が持つ力強靭な感情を、迫力かつ多彩に表現しています。この曲は、ロベルト・シューマンのピアノ協奏曲とカップリング(同じ盤に収められること)されたCDが多いです。聴き比べてみると、グリーグが先輩にあたるシューマン(1810-1856)の影響を受けていたことがよくわかります。

第1楽章(前半)


第1楽章(後半)



次に,グリーグが生まれ故郷ベルゲン近くに帰ってきた直後の作品「弦楽四重奏曲ト短調作品27(1878)」をお楽しみください。演奏は「Orlando String Quartet」 Arvid Engegard (Violin 1) Heinz Oberdorfer (Violin 2) Ferdinand Erblich (Viola) Stefan Metz (Cello) 有名な曲ではありませんが、祖国ノルウェーの民族音楽を主題に取り入れた作品となっています。どの楽器も平等に主張しながらも一体になっていて、シンプルな美しい旋律です。シンプルがゆえに緻密さはないのですが色彩豊かで親密感あふれる曲となっています。この曲は、同じ北欧のフィンランド出身のシベリウスの曲とカップリングされたCDが多いのですが、それぞれ印象深いので、ぜひ聴き比べてみてください。

第1楽章
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2009年02月16日

マスネ「ウェルテル」

フランスの作曲家ジュール・フレデリック・マスネ(Jules Massenet,1842-1912)作オペラ「ウェルテル」です。1892年 2月16日、ウィーンの宮廷劇場で初演されました。

原作はゲーテの名著「若きウェルテルの悩み」(1774)です。タイトルから察しされるとおり苦悩する青年ウェルテルが主人公で、はかなくも切ない物語は初演から100年以上たった今でもまったくいろあせません。マスネといえば「タイスの瞑想曲」も有名ですが、これもオペラ「タイス」(1894)の第2幕第1場と第2場の間の間奏曲です。

青年ウェルテルと大法官の娘シャルロッテのかなわぬ恋の物語です。二人は相思相愛になるのですがシャルロッテには婚約者がそして最終的にウェルテルは自殺してしまいます。その後、「ウェルテル効果」という言葉が生まれました。あまりよくない言葉ですが、これは知名度や影響力の高い人が自殺すると、連鎖的に自殺が増えてしまう現象をいいます。ちなみに某お菓子メーカーの社名は、シャルロッテという名前が由来となっています。「お口の恋人・・」 第3幕後半「春風よ,なぜわれを目覚めさせるのか(Pourquoi me reveiller.)(オシアンの歌)」シャルロットはもうウェルテルには会ってはいけないと思いつつもこのウェルテルの詩を聞いて心が揺らいでしまうのです。この曲はテノール歌手にとって最高の曲とも言われています。ウェルテル役:ローランド・ビリャゾン「Rolando Villazon」でどうぞ




歌詞の日本語訳は以下のとおりです。(日本フォノグラム発売のCD「ウェルテル」添付の対訳より引用)なぜに我を目覚ますや、おお春風よ。わが額に君の愛撫を覚えつつ、なお嵐と嘆きの時は身に迫る。なぜに我を目覚ますや、おお春風よ。明日、わがかつての栄光をしのびつつ谷間を旅人は訪れん。その瞳は、わが光輝を求めて空し。ただ悲嘆と苦悩を見いだすのみ!ああ! なぜに我を目覚ますや、おお春の息吹よ。
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2009年02月15日

冬の日の幻想

春一番が吹いたとはいえ,まだまだ寒い日が続いています。寒い日にはこの曲をどうぞ。ウォッカがあればなお暖かくなるでしょう。

チャイコフスキー交響曲第1番ト短調『冬の日の幻想』第4楽章です。


1886年2月15日、ニコライ・ルービンシュタインの指揮でモスクワで初演されています。チャイコフスキーとニコライ・ルービンシュタインが仲直りしてから約10年後のことです。

参照
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2009年02月14日

ヴァイオリニストたち

今回は聴き比べといきましょう。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven,1770-1827)ロマンスです。実は第2番の方が先に作られたのにあとで改編されたので順番が入れ替わっています。同じ曲で2人の演奏者を紹介します,ぜひ聴き比べてください。

ロマンス 第1番 ト長調 (Romance) Op.40 (1801〜02?/1803出版)Romance for Violin and Orchestra No.1 in G Major

ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラフ(David Oistrakh,1908-1974)現ウクライナ出身,大器晩成型,旧ソ連政府より支援を受ける。
視聴はこちらから

ヴァイオリン:レオニードド・コーガン(Leonid Kogan,1924-1982)現ウクライナ出身,ダヴィッド・オイストラフと同郷,オイストラフとは対照的に、早熟の天才、旧ソ連政府に抵抗


同じ曲の演奏でも、演奏者によってこんなに違うのです。二人とも個性的な弾き方をしていますね。評論家の、いい、悪いではなく、直感的に自分の心にどのくらい響くか。そしてジグソーぱするのように、自分の感性とぴったりの演奏に出会ったときこそ最高の至福のときです。 さぁ,みなさんは,どちらのロマンスがお気に入りでしょうか
posted by とある音楽家 at 07:29| Comment(3) | CM、TV番組での音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

ジャン・シベリウス

今日は北欧フィンランド出身の作曲家ジャン・シベリウス(Jean Sibelius,1865-1957)を紹介しましょう。

シベリウスはフィンランドの首都ヘルシンキの北約100kmの小さな村で生まれ育ちました。子供のころ、学校には行かず毎日森の中で大好きなヴァイオリンばかり弾いていました。

シベリウスは交響曲を第7番まで作りました。実は8番まで作っていたのですが、自己に厳格で完全性を求めるあまり交響曲8番の楽譜を暖炉に入れて燃やしてしまったとか ・・・

シベリウス作のピアノ曲、「樹の組曲(5つの小品)」op.75その名のとおり、樹をモチーフにして短い曲を5つ組み合わせています。標題はそれぞれ「ピヒラヤの花咲く時」「孤独な松の木」「はこやなぎ」「白樺」「樅の木」それでは,「樹の組曲(5つの小品)」よりこのうち、よく耳にする「樅の木」op.75-5 (Granen, The Spruce op.75-5)をそうぞ。




樅の木の森からムーミンがひょっこり顔を出しそうですね。
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2009年02月12日

ドヴォルザーク

チェコ出身の作曲家ドボルザーク(1841-1901)作の「ユーモレスク」7番です。






ドボルザークといえば交響曲第9番新世界より」が有名ですが、この「ユーモレスク」もよく耳にする曲です。実はドボルザークは、鉄道オタクだったのです。なんとなく蒸気機関車の出発のリズムに聴こえませんか。


演奏はヴァイオリン:イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman 1945-) イスラエル出身のヴァイオリニストチェロ:ヨーヨー・マ(1957-)パリ生まれの中国系チェリストです。
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2009年02月10日

シェリング&ルービンシュタイン

Beethoven ViolinSonata #5 "Spring" Op.24 Mvt.1ベートーヴェン作曲 ヴァイオリンソナタ第5番 ヘ長調 『春』 Op.24 第1楽章



長い冬も終わり遅い春がやってきます。雪解けの季節,ピアノとヴァイオリンの音色が草原に森、湖や川に響き渡り生きとし生けるもの,冬の眠りから覚めよとささやきかけます。

さて、ピアノは、前回ご紹介したアルトゥール・ルービンシュタイン(ArthurRubinstein,1887-1982)です。前回は、「ショパンといえばルービンシュタイン」と言いましたが、ショパンのみならずブラームスもベートーヴェンなどの曲も得意としていました。

ヴァイオリンは,ヘンリク・シェリング(Henryk Szeryng,1918-1988)ピアノのルービンシュタインと同じくポーランド出身でユダヤ系で、迫害を逃れるために各地を転々としています。第二次世界大戦後、メキシコ国籍を取得します。
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2009年02月09日

チャイコフスキー

以前にも「くるみ割り人形」でご紹介したロシアのピョートル・チャイコフスキー(Peter Tchaikovsky,1840-1893)作の「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23第1楽章」です。

この曲も何度も耳にされたことがあると思います。チャイコフスキーはピアノ協奏曲を3つ作っているのですが、あまりにもこの部分が有名になりすぎて「ピアノ協奏曲第1番第1楽章」が「チャイコフスキーのピアノ協奏曲」となってしまったようです。

さて、曲を聴いてみましょう。 ピアノ:ヴァン・クライバーン(Van Cliburn,1934-),指揮:キリル・コンドラシン(1914-1981,Kirill Kondrashin)RCA交響楽団の演奏でどうぞ。

前半


後半


荘厳かつ流麗なる序奏で始まります。
【00:03】まずは、大胆なホルンの下降旋律、そしてオーケストラ全体が「ジャン!」と応えます。かっこいいですね。いきなりテンション高いです。
【00:13】オーケストラに負けない重く力強いピアノの和音。鐘の音のように聞こえませんか。ここまでが序奏です。
【00:18】ピアノのバックで第一ヴァイオリンとチェロが第1主題を奏でます。これはウクライナ地方の民謡「ヴェスニヤンカ」をモチーフにしています。やがてピアノがソロで第1主題を引き継ぎます。そしてあらゆる楽器がこの旋律を奏でます。
【03:27】ここからは第2主題です。抒情的ですね。このあと展開部にうつります。壮大で圧巻な終結となります。

第1楽章だけでも20分あります。まったく飽きません。いつ聴いても新鮮な感動と余韻が残ります。演奏家によっても印象が大きく異なってきます。

さて、この曲は、チャイコフスキーが友人でありかつ尊敬するモスクワ音楽院院長のニコライ・ルービンシテインに初演の指揮してもらおうと作曲し、献呈しました。しかし、楽譜をみたニコライ・ルービンシテインは、どうもこの曲がお気に入りで無かったようです。ニコライ・ルービンシテインは演奏しようともせずに楽譜を返してしまいます。失礼ですね。しかたがないので、初演は別の指揮者に依頼しアメリカ・ボストンで行われました。(1875)初演は大成功、それを知ったニコライ・ルービンシテインはチャイコフスキーに謝罪するのです。さて、二人の仲はどうなったのでしょう。

モスクワでの初演はニコライ・ルビンシテインの指揮で演奏されました。チャイコフスキーを代表する曲の一つ、いやいやクラシック音楽を代表する曲の一つとなりました。
posted by とある音楽家 at 10:05| Comment(6) | 作曲家たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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