2009年02月19日

パブロ・カザルス

ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach,1685-1750)の作品です。バッハは作曲家としてあまりにも偉大すぎるので、後日あらためて説明するということで、今回は演奏者にスポットを当ててみましょう。

まず曲名は「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007 (1717〜23) [全6楽章]」「無伴奏」というのはその名のごとく伴奏がありません,つまり独奏です。
これまでピアノとヴァイオリン,ピアノとオーケストラなどいろいろな組み合わせを紹介してきましたが無伴奏は初めてです。

さてこの動画のチェロ奏者は,パブロ・カザルス(Pablo Casals,,1876-1973)です。パブロ・カザルスは、スペインのカタルーニャ地方に生まれ、チェロ演奏家はもとより、指揮者・作曲家としても活躍しました。

1936年、スペイン内戦が勃発します。日本でも同じ年に二二六事件が発生しています。第二次世界大戦に向けて国際的に情勢が不安定なころでした。その後、内戦に勝利したフランシスコ・フランコ将軍が独裁政治を樹立しました。この内戦は、パブロ・ピカソ作の絵画『ゲルニカ』、ヘミングウェイの小説『誰が為に鐘は鳴る』 やアメリカ映画(ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン主演)でも題材として取り上げられました。内戦中、内戦終了後も含め極めて悲惨で凄惨なもので、多くの芸術家を翻弄し影響を与えました。パブロ・カザルスもそのうちの一人です。1936年、所属する楽団がベートヴェン「第九交響曲」の練習中、スペイン内戦が勃発します。と同時にファシストの暴動によって練習の中断を余儀なくされました。「この国に平和が戻る日、再び第九を演奏しよう」と誓い合って解散しました。1938年、フランコ将軍の圧制に抗議してフランスに亡命します。1945年、フランコ将軍が第二次世界大戦後もスペインを独裁をしいていることに抗議して「「スペインに自由と人民を尊重する政権が再建されない限り、チェロの演奏はしない」と宣言して演奏活動を封印します。

1961年11月13日、ケネディ大統領にホワイトハウスに招かれます。演奏活動の復活です。ここで平和を願って有名な「鳥の歌」を演奏します。「鳥の歌」は、カタロニア地方の民謡をパブロ・カザルスが編曲したものです。1971年10月24日「国連デー」、国連本部において「カタルーニャの鳥は、ピース、ピースと鳴くのです」と語りかけ、「鳥の歌」を演奏します。自身、「パブロ・カザルス 喜びと悲しみ」(朝日選書)という自叙伝を残しています。

さて、パブロ・カザルスは、13歳のとき、バッハの『無伴奏チェロ組曲』の楽譜に出会いました。チェロの教則本としてごく一部の人にしか知られていなかったこの曲の音楽性を見抜き、25歳のときに初披露し絶賛されました。そして埋もれていたこの名曲を広く世界に紹介しました。パブロ・カザルスは、伝説のチェリストとも呼ばれています。

Pablo Casals plays BACH - Suite no 1 for Cello

Part1


Part2
posted by とある音楽家 at 08:22| Comment(4) | 演奏家たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人に歴史ありですね。
Posted by 春恋 at 2009年02月19日 20:56
パブロ・カザルス指揮のCD
録音技術が高くなったのか
パブロ・カザルスのうめき声まで聞こえる
Posted by ひろべ at 2009年02月20日 12:31
ある意味お宝映像ですね。
こうやって説明を読みながら聴いているうちに、クラシック音楽を単なるBGMとして聴けなくなってきました。
Posted by jupiter at 2009年02月20日 18:04
チェロも指揮も、本当にカザルスはすごい音楽家だと痛感します。
Posted by トアルオンガクカ at 2009年02月21日 10:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。