2009年03月24日

ワルキューレの騎行

ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner,1813-1883)が生涯をかけて作り上げたオペラ「ニーベルングの指環」。これまでにワーグナー作品として「ローエングリン」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を紹介しました。このオペラ「ニーベルングの指環」の上演時間は、なんと15時間もあるのです。史上最も長いオペラといっていいでしょう。当然一夜だけでは終わりません。「ニーベルングの指環」は「序夜・ラインの黄金」「第一夜・ワルキューレ」「第二夜・ジークフリート」「第三夜・神々の黄昏」の4部に分かれています。それぞれ単体で上演されることが多いのですがバトロイト音楽祭では、4夜連続で「ニーベルングの指環」が上演されます。(途中2日お休みが入ります)バトロイト音楽祭が開催されるバトロイト劇場はドイツ・バイエルン州にあって、ワーグナーが「ニーベルングの指環」を上演するために建てた劇場なのです。普通のオペラ劇場とは異なり、客席からはオーケストラピットが見えません。舞台のみ見えます。音楽だけがどこからともなく聞こえてきます。

「ニーベルングの指環」は、いまでいうRPG(ロールプレイングゲーム)のようなものです。全4夜見こなすためには攻略本が必要です。ワーグナーは、ライトモティーフ(Leitmotiv)示道動機といわれる、登場人物のセリフや歌の内容とは関係の無い音楽を重層的に流し、物語を暗示的にかつ奥行き深く展開させていくのです。例えば、役者が「ごめんね」と謝っているのに、音楽は、のんきで陽気な曲を流す、つまり全然反省していないじゃん!といった感じです。

このうち第一夜「ワルキューレ(Die Walkure)」より第三幕「ワルキューレの騎行(Ride of the Valkyries)」です。
ワルキューレとは、「戦死者を選ぶ者」という意味です。「ワルキューレの騎行」はワルキューレ達が勇士の遺体をヴァルハラに運ぶシーンです。



2009年3月20日よりよりブライアン・シンガー監督、トム・クルーズ主演で映画「ワルキューレ(VALKYRIE)」 が上演されています。
内容は1944年ヒトラー暗殺計画が未遂に終わった際、反乱側が内乱鎮圧計画「ワルキューレ」を利用して権力掌握を計ったものです。
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2009年03月16日

アヴェ・マリア

「アヴェ・マリア」は、聖母マリアに祈祷をささげるときのことばです。日本語に訳すと「おめでとう,マリア様」または「こんにちは,マリア様」などという意味になります。

聖母マリアへの祈祷文をもとにして、カッチーニ、モーツアルト、シューベルト、モーツアルト、バッハ、グノー、ビゼー、ストラビンスキー、サン=サーンスなど多くの名だたる作曲家がそれぞれの「アヴェ・マリア」を作っています。このうち、シューベルト、グノー、カッチーニの「アヴェ・マリア」が三大「アヴェ・マリア」と呼ばれています。

今日は、一番聴き馴染みのあるジュリオ・カッチーニ(Giulio Caccini,1545-1618)の「アヴェ・マリア」をお聴きください。カッチーニは、イタリア・ルネサンス音楽末期、バロック音楽初期の作曲家であり歌手、ハープ奏者、最初期のオペラ作曲家としても活躍しました。ヤコポ・ペーリとならんでモノディー様式の代表的な音楽家の一人として知られています。

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2009年03月13日

ピアノデュオ

ピアノデュオ(二重奏)は、二人のピアニストが同時に演奏することです。1台のピアノを二人で演奏する「連弾」もあれば、2台のピアノでそれぞれ演奏することもあります。ここで、ショパンと同じポーランド出身の作曲家でありピアニストでもあるヴィトルト・ルトスワフスキ(Witold Lutosławski,1913-1994)の初期の作品、「2台ピアノのためのパガニーニ変奏曲」(Paganini variations for two pianos)をお聴きください。







二つの動画を見比べてください。ピアノ2台で演奏する場合、前者のように対角においたり、後者のように並べておくことがあります。対角におくと目と目で合図ができます。いわゆるアイコンタクトですね。並べておくとお互いの指や手、腕の動きが確認できます。(ただし客席から向かって奥のピアニストは目立ちませんが)

ピアノをどう配置しようと二人のピアニストの息がぴったり合っていないと、いい演奏にはなりません。逆に息がぴったり合うとオーケストラを凌ぐ迫力になります。なにせ同時に20もの音が出せるのですから。二人のピアニストの才覚が足し算でなく掛け算となればベストなのですが、場合によってはお互いの個性が強すぎて足を引っ張り合う結果になってしまうこともあります。いずれにしても、ピアノデュオのピアニストは、ピアニストとしての才覚のほかパートナーと息を合わせる才覚も兼ね備えてないといけません。

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2009年03月11日

ドン・カルロ

なぜかヴェルディ(1813-1901)作のオペラの初演は3月に多いようです。

初演は1867年3月11日パリ・オペラ座でした。

「ドン・カルロ(Don Carlo)」は、16世紀スペインの宗教対立の激化による抗争の中での史実を元にして作られています。スペインの王子ドン・カルロにはエリザベッタというともに将来を誓い合った婚約者がいました。しかし運命のいたずらか、エリザベッタは、国王である父と結婚してしまいます。やがてドン・カルロは、フランスのフランドル地方を中心に広まった新教に傾注していき、旧教徒の父と対立していきます。父はドン・カルロを幽閉するばかりか新教徒たちの弾圧をはじめます。「ドン・カルロ」は獄死してしまうという悲しい物語です。 この作品はもともとフランス語5幕版でしたが、その後ヴェルディ自身でイタリア語4幕版に改訂されたり、後世、多くの人たちによって改訂を繰り返されています。現在でもフランス語5幕版、イタリア語4幕版とも上演されています。

悲劇の主人公「ドン・カルロ」を演じる歌手は、テノール歌手の醍醐味でもあります。三大テノールといわれたパヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスそれぞれのドン・カルロをどうぞ

ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti,1935-2007)

プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo,1941-)


ホセ・カレーラス(Jose Carreras,1946-)



いずれも、オペラ「「ドン・カルロ」第二幕第一場より「ああ、われわれの魂に、ともに行きともに死のう(Dio che nell'alma)」オペラ「「ドン・カルロ」で一番有名な曲です。ドン・カルロの親友であるロドリーゴ(バリトン⇒テノールよりも低い声)が慰めに来ている場面での二重唱です。
posted by とある音楽家 at 09:44| Comment(1) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月08日

魔法使いの弟子

「魔法使いの弟子」といえば何を連想するでしょうか。真っ先に思い浮かぶのはミッキーマウスの登場するディズニー映画ではないでしょうか



もともとは交響詩「魔法使いの弟子」(L'apprenti sorcier, scherzosymphonique,1897)という管弦楽曲です。フランスの作曲家ポール・デュカス(Paul Dukas,1865-1935)がドイツの文豪・ゲーテの詩「魔法使いの弟子」を管弦楽で表現しました。デュカスはラヴェルやドビュッシーとも親交がありました。
posted by とある音楽家 at 15:25| Comment(5) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月06日

ロリン・マゼール

今日はフランス出身で現在アメリカを拠点に世界中で活躍している指揮者ロリン・マゼール(Lorin Maazel,1930年3月6日-)の79歳の誕生日です。ロリン・マゼールは、1月31日の記事「アイーダ凱旋行進曲」でもご紹介しました。

ロリン・マゼールは、指揮者であるとともにヴァイオリニスト・作曲家でもあります。 他の音楽家たちと同様、順風満帆ではなく栄光と挫折を繰り返し味わってきました。ウィーンフィルの新年恒例のニューイヤーコンサートを11回(1980-1986,1994,1996,1999,2005)指揮したことをはじめとして、1982年にはウィーン国立歌劇場の総監督まで昇りつめました。しかし、音楽性を高めるあまりにオペラの公演回数を減らすことによってウィーン国立歌劇場の総監督を1984年解任されました。

また、偉大なる指揮者カラヤンの後継者と評されながらも、ベルリンフィルの当時の音楽監督であったカラヤンの後任になれなかったことなど数々の挫折を味わいました。

その後、2002年にニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任しました。現在、彼は人道的組織の慈善のための活動も積極的に行っています。先般、北朝鮮の平壌にてニューヨーク・フィルを率いて指揮したことは記憶に新しいところです。


1月11日の記事でご紹介したオペラ「椿姫」は、1853年3月6日ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演されました。残念ながら準備不足のため初演の評価は散々でした。しかし現在では最も上演回数の多い作品になっています。それでは,ロリン・マゼール指揮でヴェルディ作オペラ「椿姫」より第一幕の見せ場である椿姫である「ヴィオレッタ」に恋した青年アルフレード・ジェルモンが一途な愛を語るアリア 「O mio rimorso」をどうぞ
posted by とある音楽家 at 09:25| Comment(3) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月28日

コッペリア

まずは、こちらの動画をご覧ください。バレエ音楽ですね。


この曲の題名や作曲家を知らなくてもどこかで聴いたことがありますねフランスの作曲家レオ・ドリーブ(Léo Delibes,1836-1891)、バレエ「コッペリア(Coppélia,1867)」第一幕より「ワルツ」です。

バレエは16世紀フランスが発祥で、当時は王宮貴族の楽しみでした。しかし、フランス革命(1789-1794)以降、革命政府の圧力などにより衰退の一途をたどっていました。レオ・ドリーブは、この「コッペリア」などでバレエを一般市民の芸術として復興させました。「フランス・バレエ音楽の父」と呼ばれています。

バレエ「コッペリア」の物語は、次のとおりです。コッペリウスという偏屈じいさんが人形「コッペリア」を作り、命を吹き込みます。(日本のアニメでいえば鉄腕アトムでしょうか・・・)「コッペリア」を窓辺に置き、街行く人たちの反応を見ます。青年フランツは、スワニルダという恋人がいるのですが「コッペリア」を人形だと知らずに恋してしまいます。さぁ結末やいかに、陽気で明るい喜劇のバレエです。

チャイコフスキーはこの「コッペリア」に刺激を受けて,人形が主人公のバレエ「くるみ割り人形」を作りました。
posted by とある音楽家 at 07:26| Comment(3) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月26日

BGM

何かをしながらBGMを聴きたいとき仕事しながら,読書しながら,ぼんやりしながら,昼寝しながら,夫婦喧嘩しながらなどなどCDでもいいでしょう,でもインターネットラジオから次か次へと流れてきます。


まずはフリーソフトのWinampというソフトをダウンロードしましょう。このページからダウンロードできます。
http://www.winamp.com/?flv=1&icid=templatized_template_test.M


ダウンロード,インストール,セットアップが終わったら,Winampを起動して,ブラウザから以下のURLを見てみましょう。
http://www.winamp.com/media/radio/Classical

たとえば,ピアノ曲が聴きたいなと思ったら「S K Y . F M - Solo Piano - Musical journeys with p」を選びましょう。次から次へとノンストップ24時間ピアノ曲が流れ続けます。ほかにヴァイオリン曲もいろいろとありますよ。そのときの気分におまかせブラウザにWinampのツールバーがのコツかもしれませんが表示を消すこともできます。
posted by とある音楽家 at 13:53| Comment(1) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

シューベルト:菩提樹

オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(Franz Schubert,1797-1828)の歌曲集『冬の旅(Winterreise)』(1827-1828)より第5曲「菩提樹(Der Lindenbaum)」です。

シューベルト死の間際といっても若干30歳そこそこですがの曲です。 体調を崩したシューベルトは、ウィーン市中心部から南西へ約20kmにあるヒンターブリュール(Hinterbruhl)という小さな町のホルドリッヒシュミーレ(Holdrichsmuhle)で静養します。ここは、ウィーンの森の中にあり,庭先にはいまでも菩提樹や泉がそのままの姿であります。そしてシューベルトの等身大の人形もあります。


さて、歌曲集『冬の旅』は、ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集にシューベルトが曲をつけたものです。第1部12曲、第2部12曲、計24の歌曲からなります。ある青年が、失恋した場面から始まり、絶望、さすらいの旅に出て、最後に自害するまでの悲しい物語となっています。この「菩提樹」は第1部の5曲目です。

『冬の旅』のなかでも一番有名な曲です。 青年が菩提樹のそばを通りかかります。ピアノが菩提樹の風に揺れる葉のざわめきのように聴こえます。菩提樹の下で、昔を懐かしんで歌います。民俗音楽的です。「ここならば安らかに眠れる」とそれは死への誘いであるかのようです。

バリトン Roman Trekel(1963-)ピアノ Oliver Pohl(1956-)


トレケルはドイツのベルリンを中心に大活躍のバリトンです。
ドイツ語の発音も非常に美しく、歌詞と音楽との密接なつながりを感じさせてくれる素晴らしい歌手ですよ。

posted by とある音楽家 at 14:20| Comment(6) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月10日

記念の年

2009年は,作曲家「ハイドン」や「メンデルスゾーン」の生誕200年にあたります。今年は,あちらこちらから「ハイドンイヤー」,「メンデルスゾーンイヤー」という言葉を耳にすることでしょう。ところで「ハイドンの曲といえば?」や「メンデルスゾーンの曲といえば?」といわれてもなかなかすぐに思い浮かびませんね。それではこちらをどうぞ。


結婚式で定番中の定番のお馴染みの曲ですね。この曲は,メンデルスゾーン作曲 劇付随音楽「夏の夜の夢」より「結婚行進曲」です。「夏の夜の夢」は,シェイクスピアの戯曲が元になっています。

結婚式の定番の曲のもう一つが,ワーグナーの結婚行進曲があります。オペラ「ローエングリン」より「婚礼の合唱」です。



ちなみにワーグナー生誕200年は,2013年です。 経験的に結婚式でよく流れるクラシックといえば,「フィガロの結婚」「アヴェ・マリア」「カノン」などでしょうか。個人的には,ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」やセリーヌ・ディオンもいいのですが・・・ 余談ですが,進化論で有名な生物学者ダーウィン,アメリカ大統領のリンカーンも生誕200年です。しかもお二人とも2月12日生れです。
posted by とある音楽家 at 15:20| Comment(2) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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